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もともと肌が弱かったという瀧井さん。市販のシャンプーを使ってみても値段に関わらず、湿疹などができてしまう。そこで、友人の勧めもあって手作りシャンプーを使用してみる。かゆみがなくても、今度は髪に石けんで洗った時特有のゴワゴワ感が出てしまった。悩む瀧井さんに友人がまた声をかける。「石けんって自分で作れるんだよ」。 その言葉を聞き、さっそく、本やインターネットで調べ、石けん作りに取り掛かった。多くの石けんで使用されている牛脂やパーム油などではなく、食用グレードの栄養価の高い植物オイルを使用した。
石けん作りは原料を正確に調合すること、温度や湿度など、気をつけなければならない点は多くあり、デリケートなものであったが、もともとそういった作業が嫌いではなかったため、楽しく石けん作りに取り組めたという。「出来上がったものを使ってみたら、かゆみもないし、髪もしっとり仕上がったんです。それがきっかけですね」 オイルによって、効力も変わってくる。同じ作り方でも、毎回違うものが出来上がる。
そんな手作り石けんにハマッていったという瀧井さん。 たくさん作った石けんは余ったからということもあり、遊び感覚でイベントなどで出店し、販売するようになる。このときにさまざまな人からアドバイスを受けたことが、石けん作りにも大きな影響を与えることとなる。 「石けんというのは肌につけるものだから、販売しちゃいけない。薬事法という法律があって、許可をとらなければならいということを初めて知ったんです」
当時、すでに石けん作りがライフスタイルに組み込まれていた。作ることの楽しみは日々大きくなる。「平日は仕事で、土日は石けんを作ってイベントで売ったりして。それがすごく楽しくなっていたんです。それなら許可もとろうかな、と思って。本格的にやるようになったのは自然な流れとも言えますね」
現在は、石けんのシェアも多く、ナチュラル思考の強いタイの工場で石けんの生産は行われている。石けんを作る技術がもともとあり、気候や原料が豊富にあることもタイでの生産を決める一因となった。 これからの瀧井さんは、石けんのレシピの制作とともに、秋に向けてオーガニックワックスの製造にも着手している。
「石けんの香りづけに使う精油(アロマオイル)の正体は植物ホルモンです。植物ホルモンって、人間のホルモンと似ていて肌から血液に入ってバランスを整えてくれます。自分にもともとあるもので肌を守っていくことと同じなんですよね」 肌に害を与える防腐剤を使わずに、良いものを作り出す。石けんのレシピは何年もかけて編み出したものだ。
その甲斐もあり、手作り石けんの弱点とも言える、「とけやすい・やわらかい」、「酸化しやすい」、「あわだちにくい」という3点の克服にも成功した。 肌に良いもので肌をケアする。そんな当たり前のことが忘れられがちになっている昨今。 MOONSOAPは当たり前のようで、最も新しい肌のケア方法を提案してくれているのかもしれない。
日本ではまたまだ珍しいコールドプロセス製法で作られた石けん「MOONSOAP」。今回はタイで石けんを生産するMOONSOAPのディレクターである、コスメティック・クリエイターの瀧井みおぎさんにお話を聞いた。
柔らかな雰囲気に、お話をさせていただいていると思わずリラックスしてしまう。 見せていただいた石けんもシンプルで、その香りは心を優しくしてくれる。よく、モノには作り手の人柄や心が現れるが、まさにその通りだと実感させられる。 大学卒業後、OLとして働いていた瀧井さん。「石けんを手作りすること」に出会ったのは友人の言葉がきっかけだった。